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どないしようも

なんとなく敷居が高い世界に、「お茶」がある

桃山の名椀と加藤唐九郎・樂吉左衛門
そごう心斎橋本店 ギャラリー

正直にいおう。よくわからなかった。
勉強不足と感性のなさで、みぎむいても左むいても茶碗だらけでうーん。
素人がつくってしまういびつさと、芸術家のつくる計算された不定型なフォルムの違いがわからない
文章なら、ぱっとわかるんやけど。

このままではお茶席によばれないことをひたすら望んでしまう

お茶をいれてもてなすだけに、思想がとりこまれる「道」に、日本てすごいなあと思う


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戦争をかく

「父と暮せば」 黒木和雄 監督 
井上ひさしの同名戯曲の映画化。
きれいな映画でした。

演劇のほうで観たかった。劇場で。ですが、映画という媒体をつかえばこそ、多くの人がこの作品に触れることができる。戦場を描かずに戦争を書く。それがすごいと思う。

残念だったのは、せりふがききとれない箇所が何カ所かあった。何を会話してるのかわからず・・・。耳が悪いせいもあるのですが、台本で知ってるだけに、ああ、ここのせりふ好きだったのにと思うこと何回かありました。あとで、つながってくるのに。とか・・・。家のBSで観たので音響がよくないせいもありますが。

あと好演してるとは思うのですが、宮沢りえさん演ずる美津江が、涙を使いすぎるような気がする。メソメソ系というか。何に対して泣いているのか。原作の井上ひさしさんが丁寧にせりふをつむいでいるので、それに対して泣かされているような印象をもったのと、一カ所でいいんじゃないかなと思うのだ。「演技する者」が映画の画面の中で登場したのかと思った。残酷に言えば、自分の役に同情してるようにみえる。愛らしくけなげな女性の雰囲気があるだけに、ちょっと残念だった。
うまく書けないけれど。


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さて今年は

2006イタリアボローニャ国際絵本原画展
西宮市大谷記念美術館

絵本原画の国際コンクールの入選作の原画展

CG アクリル、水彩、エッチング…わたしのような、絵はよくわからないにんげんが、一気にさまざまな技法を見ることができるいい機会。
90名ほどの入選者の作品を各5枚みていく。
へとへとになる。

今年はキャラクターが個性的で主張があるように感じた。日本人入選者が多いのもうれしい。

なかでも荒川恵子さん、千葉三奈子さん、今井彩乃さん、柄澤容輔さん、三浦太郎さん、たかいよしかずさんは好きでした。外国の作家さんでは、ドイツのニーナ・ヘルビッヒさん、イタリアのレナータ・ガッリオさんも好き。
今回はイランのアリレザ・ゴルドゥズィヤンという作家が入選作とは別に展示がされているのですが、虹のようにときめく色彩だった。
日本にはまだ出版されてないらしいのが。残念

絵本にはセオリーがあるようで、セオリーはなく、でもセオリーがあるもの。
どんな世界でもそうかもしれないが


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循環の中で

星野道夫展「星のような物語」
大丸ミュージアム梅田。

圧巻であります
でかい。どかーんと世界が体当たりしてきます。
動物の毛一本一本もあまさずとらえ、くじらの尾にはじく水滴を一つとしてぼやかなさない。ゆるがなさにみているほうが、彼らの世界にひきずられて喰われそう。
先日観た高砂さんがストーリーならば、星野さんは生き方がすりこまれた写真だと思った
家族とは家族になるという結果というより、生きるために必然な形態とみえる。実はシンプルなのだ

循環という単語がキーワード。命はからだを喪っても、他の生命にとりこまれ永遠に循環しつづける。
10年前にヒグマの事故で星野氏は命を喪ったが、そういう循環にくみこまれる運命の人にみえる。都会の病院で息をひきとり、火葬場ですべてが灰になってしまうより、死ぬときはたとえ血の一滴でも大地に還すのではないか。遺族の方からすれば、とても勝手な憶測だけれど、いなくなってしまった悲しみはあれど、死に方としては非常に潔く澄んでいる。

ミュージアム外の物販は、星野氏の著作はわかるとして、あまり氏とは無関係なあざらしや熊のぬいぐるみがあったのが気になった。ほしくなる人はいてそうやし、売れるとは思うし、実際買っているひとは多かった。が、あの写真の世界はあまりにも生きものが生々しくて玩具に触れる気になれなかった


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ふたりだけ

「父と暮らせば」 井上ひさし 新潮文庫
戯曲です。
舞台を見たことはありませんが、映画化になったことは知りました。観ていませんが。
ものすごく完成された戯曲なので、これを映画化したのか〜。と。

原爆で生き残った娘。生き残ったことを罪深く感じる娘の前に、死んだはずの父親が姿を現す。

いろんなことを想像させる戯曲です。コトバにかかれたこと以上のことを想像させる。
言い古されたコトバですし、ふつうのコトバなのですが、ものすごく響く使い方をします。
ここまでできるのか。
たった二人の芝居でそこまでできるのか。と思う。

電車の中で読みながら泣いてしまいました。
映画は、今夜8/24 NHKBSで放映です。


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絵本のような

高砂淳二写真展
大丸心斎橋

初めて観る写真家さんです。南国。
絵本のような世界。
動物がキャラクター化されてる。自然の中に、だっこしてもらってるような写真展
雄大な母なる大地に眠る、というよりも、遊び疲れたわんぱくがこてっと沈没するようなあどけなさです

ただ、一枚一枚につけられたコメント、タイトルがいまいち。コトバが詩的やない。悪ふざけにも思えて、なんにもないほうがいい。
「夜のビーチで甲羅干し(?)をしていたウミガメ」なんてセンスは、リゾートに旅行に行ったOLのアルバムみたいだ。同じ写真をみて月の光を充電して旅支度しているウミガメ、と思った。あまりコトバがないほうが観る側が自由でいいと。


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アルゼンチンババア

映画の宣伝で鈴木京香さんが、「ババア」役になったとか、ニュースが流れていた。
ホームレスみたいなババア姿でも、鈴木京香さんは鈴木京香さんで、凛とした女っぷりで、ますます好きになった。


なんだよ「アルゼンチンババア」ってのはよぉ!
と思ったら、よしもとばななさん原作だった。ほんでもって好きな画家、奈良美智さんが絵と写真をよせている。
文庫本で見つけたのだけれど、ぜったい単行本で発行してあるはず! と思ったら、シルバーのラメラメで驚いた。
すごい装丁です。
みなさまにおみせできないのが残念。手にとっただけで、本をもつ喜びがあふろます。この本がもう、よしもとばなな、アルゼンチンババア、であります
見事
ブックオフで古本がずっしりどっさり買えるほどの価格ですが、この間新聞アンケートを答えてもらった図書券を使って(足りなかったけど)購入

アルゼンチンババアは私の頭を優しく丸くなで続けた。その服からは、カビと、太陽の匂いと、ほこりと、人間のあぶらのにおいがした。
私は窒息しそうに不快だったのに、なぜか涙が出た。

「カビと、太陽の匂いと、ほこりと、人間のあぶらのにおいがした」・・・
だからね。こういう文章書けてしまうから、こわいのだよ。よしもとばななって


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もうひとつ

世界遺産からのSOS(写真・映像)展
アジア危機遺産からのメッセージ
そごう心斎橋本店 ギャラリー

知らないことは多い。耳にする遺蹟や建築物がどこでどういう目的、経緯で造られたのか、自分は知らなさすぎる
ということ一点。
触れるにば、現地におもむくのが一番だが、観光客であることが、自然や現地で生きるひとの生活破壊を促すこともある。
好奇心と無関心無配慮は、案外表裏一体かもしれぬ

欧米や日本のコレクターに販売を目的とする盗掘による破壊は後をたたないらしい。しかし、盗んだ物を集めて飾るビンボウくささに辟易する。
なぜ、そこに造られたか、考えたら、とって手にすることできないだろうに

いろいろ考える

しかし、企画はいいけれど、観にくい展示であった。照明があたってたり、なかったり。監修者がだれなのか。なぜいろんなひとが解説して、その人の経歴まで記されているのか。同じ映像があちこちで編集されてながれているのか。携わってる人が主役でなかろうに、こういう展示はみていて混乱する
バーミヤンならバーミヤンで、歴史、宗教、民族、くらしなどで追ったほうがよかったのではないか
やるのならもっと性根入れてとりくんでほしいなあ。NHKにおんぶにだっこにみえた


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より深く、より確かに

「デッドエンドの思い出」よしもとばなな
文春文庫

5つの短篇集
「ともちゃんの幸せ」が印象的。生きていれば約束されるものなど何もない。とんでめない理不尽なことだらけなのに、それなのに神様はなにもしてくれない。
「私は、あったかいもののほうを大切にする、ちゃんとこういうからくりを見破ることができる男の人を捜そう、絶対いるはずだから」

でもそれはおそらく、自分もそういう目をもつことで、ときには自ら命断ちたくなるほどしんどいことなのかもしれんのだ。

「デッドエンドの思い出」も喪失から出発、矛盾の中で見失わない自己の世界がこの作家さんの昔からあるスタイルだと思うが、今は確かに、より繊細に深く相手に届くように感じる


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2年

「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」「今夜、すべてのバーで」 中島らも

亡くなって2年経ってしまいました。生きていてくれれば、そのうち何かのチャンスで会えた「かも」しれないと厚かましくも思っていた。別に飲み会とかやなくてええねん。駅のプラットホームとかそんなんで。(友人が見た!と言ってたから、歩いてはるんやなって思った)でも、亡くなってしまったら、どないしようもない。

一番最初に読んだのが「僕に〜」で、確か兄がひとから借りてきた。ちょっと読ませてもらい、タイトルも違っていたかもしれない。15年以上前だがそのなかの「飲酒自殺の手引き」がすごく印象に残っていた。その体験がおそらくベースになってるだろう「今夜〜」は、どこかきちんと笑わせどころをつくっていて、でもそのベースにはかなしさがあり、全体を、いかなるときも重くしすぎないやさしさがある。
本人の力ではどないしようもない、襲い掛かられたようなかなしさ。しかもそれが秋の空みたいにすかっと澄んでいるので、「プロ」のもの書きの業を感じてしまう。


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