2年
「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」「今夜、すべてのバーで」 中島らも
亡くなって2年経ってしまいました。生きていてくれれば、そのうち何かのチャンスで会えた「かも」しれないと厚かましくも思っていた。別に飲み会とかやなくてええねん。駅のプラットホームとかそんなんで。(友人が見た!と言ってたから、歩いてはるんやなって思った)でも、亡くなってしまったら、どないしようもない。
一番最初に読んだのが「僕に〜」で、確か兄がひとから借りてきた。ちょっと読ませてもらい、タイトルも違っていたかもしれない。15年以上前だがそのなかの「飲酒自殺の手引き」がすごく印象に残っていた。その体験がおそらくベースになってるだろう「今夜〜」は、どこかきちんと笑わせどころをつくっていて、でもそのベースにはかなしさがあり、全体を、いかなるときも重くしすぎないやさしさがある。
本人の力ではどないしようもない、襲い掛かられたようなかなしさ。しかもそれが秋の空みたいにすかっと澄んでいるので、「プロ」のもの書きの業を感じてしまう。
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