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現在と過去と  「被爆のマリア」 田口ランディ [本]

夏は日本の中で、もっとも「戦争」が学ばれる時期だと感じる。が、「戦争」がどんなにコトバを紡いでいても、いまだに封印されていることがあること。そして、過去の「教科書」になりつつあるのを、また、とめられない。
最近、戦争モノが増えたように思う。が、韓流に対抗する悲劇モノとして扱ってる印象をもつ。正直観る気がしない。観てから言ったほうがいいとは思うが、メロドラマ仕立てにつくられたものよりも、現代との接点。無関心から関心へ。でもどこか冷めた手触りのあるこの短編集は正直であると思う。

日常の中の、戦争体験の投入は、平和の中の一種異物である。でも、異物から波紋というか、考えることをはじめることから考えると、わたしは大抵のメロドラマ仕立てのものよりも、入りやすいと感じる。今は、戦争体験を再現し、わかろうとするよりも 距離があるということを認識してから、間合いを詰めていく作品がもっとあっていいと思う。

この作家さんの登場人物は、空虚でありながらどろっとした感触がある。カナシイよりも名前のない憎しみを感じる。


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