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故郷の作家 [美術]

富本憲吉記念館
陶芸家富本憲吉氏の記念館。奈良県北葛城郡安堵町にある、富本憲吉氏の生家を記念館として手入れして,昭和49年(1974)に開館された。
カメラを忘れたので、違う機会にアップしますが、当時大地主だったという富本家にふさわしい、門構えです。私費でイギリス留学も果たしていますが、なるほど。と思います。
安堵町の資料館に車をとめて、西の路地に入っていきます。車が通れるほどの巾もなく、歩くしかないのですが、溝にはきれいな水が流れて、ざりがにでもいてそうな、懐かしい町並み。
氏は、よく大和の草木をスケッチし、それをデザインしておられますが、なるほど、朴であり、でも少し色気のあるそれらは、生活と密着した生々しさでもあったように思う。
帰り道もひょいと車で駐車場からでれば、自分が見慣れた風景に出くわし、この芸術家と自分は時こそ違うけれど、同じ風景をみてるのだ、と思うと感動します。わたしは、ものをつくるひとは美しい場所にいなければならないと思う。きちんと空がみえて雲がみえて、川が流れるところに。自由勝手な草木の生きる場所に。偏見かもしれませんが。そういう意味で自信をもちます。
わたしが行ったときは、大和時代と東京時代を中心に組んでいました。パネルのコトバを読むと、終戦を迎え。占領を受けやるせなさを感じます。なんとかして、自分の国を遺そうと、工芸にはげんだ姿も推測されます。あっさり、ハリウッド映画ばかりをありがたがる今の日本のあり方をちと考えたりしました。

敷地内に、工房があり、今は何曜日かに陶芸の教室があるようです。定員制なので誰もが受講できるわけではないですが、田圃の稲穂が風に揺れ、つくつくぼうしの鳴き声がきこえるこの場所でなら、陶芸したいなあ。とも思いました。
10/13金~16月まで、この工房の作家さん(生徒さん?)の作品展が同記念館であるそうです。

ただ、ちょっと残念だったのが、(予算の都合もあるのかもしれませんけれど)、館内が清潔できれいなのですが、庭が少し自由奔放に草が生えているのがちょっと気になりました。就学するこどもたちのために、机や椅子を自作し、生活を美しく。美しい食器で食すことを愛した作家が、草ぼうぼうの庭を好んだとはちょっと思えない。同じでないにしろ、手入れはもう少ししてほしい。どれが植えてあるので、どれが生えてきたのかちとわからんかった。

「先生が使っておられた」という離れは、もんんのすごい落ち着きます。しんとして凛としてる。そしてクーラーもないのですが、残暑の中も意外と涼しい。昔の家はいいです。
今週末は京都の国立近代美術館の「富本憲吉展」にまいります。生誕120年、ということはこの間みた藤田嗣治と同じということになります。今月はあちこち行くので、たのしみであります。


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